台湾茶の歴史や特徴、製茶の方法をご案内します。

台湾茶について

■ 台湾茶の歴史

 台湾茶のルーツは中国の福建省から持ち込まれた茶樹といわれています。このため中国茶と混同されることが多いのですが、地理的な要因による環境の違い、新種の茶の開発、栽培方法や製茶方法などの開発により、台湾茶は独自の発展を遂げたため、現代では、中国茶とは違ったものになっています。

 台湾茶は19世紀から発展し始めましたが、特に19世紀半ば以降は、世界各地への輸出も始まるなど、急速に発展しました。19世紀末期からの日本統治時代には、政府の茶業振興政策もあり、合理的な栽培技術の開発や機械製茶技術が進むなど、産業の近代化が図られたため、茶葉の生産量や品質が安定し、今日の台湾茶の基礎が作られました。

 戦後の一時期は生産量が落ち込むなどの衰退期もありましたが、政府の振興策もあり、生産量は徐々に回復しました。台湾の気候風土が茶の生育に適しているため、現代では台湾を代表する農産物に発展しました。

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■ 台湾茶の特徴

 台湾では紅茶や緑茶も生産していますが、特に生産量が多いのが烏龍茶に代表される青茶です。青茶の特徴は半発酵茶であることです。この発酵は茶葉自体が自然に発酵するもので、発酵菌を植え付けて発酵させるわけではありません。

 日本でよく飲まれている緑茶は不発酵茶で、紅茶は全発酵茶ですから、青茶はその中間に位置します。半発酵茶は、発酵の度合いや製茶法により、緑茶に近い風味の茶から、紅茶に近い風味の茶まで、さまざまなバリエーションがあります。

茶の種類
白茶 弱発酵茶。ごく軽く発酵させたお茶で、焙煎も揉捻もしません。
黄茶 弱後発酵茶。揉捻の後で軽く発酵されたお茶です。生産量はごくわずかです。
緑茶 発酵茶。発酵を全くさせないお茶で、さまざまな種類があります。
青茶 半発酵茶。
紅茶 全発酵茶。
黒茶 プーアール茶など。麹菌により後発酵させたお茶で、発酵が進む年代ものほど高価になりますが、発酵管理が難しいため、古いお茶ほどよいとも限りません。
花茶 緑茶、青茶、紅茶などをベースに、ジャスミンなどの花で香りをつけた茶です。
フレーバー茶 緑茶、青茶、紅茶などをベースに、各種の香料で香りをつけた茶です。

 台湾では各地で茶が栽培されていますが、特に高級茶は、標高が高い山岳地帯でよく栽培されています。これは台湾高山地帯独特の気候風土や土壌が茶の栽培に適しているためで、この地理的条件は、紅茶の有名産地であるアッサム地方などと共通しています。一般に標高が高いほど良質の茶葉ができると言われていますが、逆に標高が高くなれば気候変動も大きくなり、茶葉の栽培や製茶は難しくなります。台湾の高級茶は、このシビアな条件下で作られており、優れた技術を要するものです。

■ 台湾茶の製茶

茶摘 最高級の茶葉は茶樹の尖端部分の「完全形の一心二葉」と呼ばれる、開ききらない尖端の新芽と2枚の若葉を茎ごと完全な形で手摘みで収穫します。また、尖端から3~4枚程度の茶葉のみを収穫します。
茶葉の収穫は、次の工程「日光萎凋」をすぐに行うため、天候を見ながら収穫時期を慎重に判断し、一気に行われます。
※機械摘みでは品質が安定した茶摘ができます。また機械化が困難という理由で手摘みを行うこともあります。必ずしも、手摘みの茶葉が良くて、機械摘みの茶葉が悪いというわけではありません。
日光萎凋 イメージ摘まれた茶葉は、すぐに日光にあてて萎凋させます。
日光萎凋は、半発酵茶の命ともいえる発酵に大きく影響するため、このときの気候状態が茶葉の品質を大きく左右します。ネットをはったり、場所を変えたりして、常に最適な萎凋が行われるよう注意がはらわれます。
室内萎凋 茶葉を室内に取り込んでさらに萎凋させます。茶葉は萎みながら発酵していきます。
炒菁 イメージ発酵を止めるために、茶葉を焙煎します。このときの焙煎の度合いにより、風味が異なってきます。
揉捻 茶葉を揉みます。
出乾 茶葉を乾燥させます。
静置 茶葉を休ませます。
團揉 イメージ茶葉を袋に入れて揉みます。これにより丸まって固く締まった茶葉になります。
(包種茶と白毫烏龍茶はこの作業は行いません。)
乾燥 茶葉を乾燥させます。
再乾 茶葉を休ませ、完成です。
選別 イメージ茶葉から枝のみの部分などを取り除きます。

 取り入れから、ここまでの作業は1昼夜で行います(包種茶と白毫烏龍茶は團揉がないので16時間)。この製茶の良し悪しは茶葉の品質に大きく影響します。台湾では製茶の機械化が進んでおり、茶葉の品質はかなり安定しているものの、微妙な加減やタイミングは、職人芸に頼る部分がまだまだ大きいのです。